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EC発送代行・フルフィルメントの費用相場|料金内訳と選び方

EC発送代行・フルフィルメントの費用相場|料金内訳と選び方

EC事業が伸びるほど負担になるのが、入庫・保管・梱包・発送といった物流業務です。これらをまとめて外部に任せるのが「発送代行(フルフィルメント)」で、費用は固定費と変動費の合計で決まります。ただ料金項目が多く、相場が分かりにくいのが実情です。この記事では、EC発送代行・フルフィルメントの費用相場と内訳、業態の種類、自社発送との損益分岐、失敗しない選び方までを整理します。物流を含めたEC運営全体の効率化はEC運営代行とは(費用相場・業務範囲)もあわせてご覧ください。

この記事で分かること

  • EC発送代行・フルフィルメントの費用相場と内訳(固定費・変動費・隠れコスト)
  • 発送代行・フルフィルメント・3PL・物流代行の違い
  • 業態3タイプ(プラットフォーム型/独立系3PL/キャリア系)と選び方
  • 自社発送との損益分岐と、費用対効果を高める方法

EC発送代行・フルフィルメントの費用相場【早見表】

費用は「固定費(毎月かかる)」と「変動費(出荷量に応じてかかる)」に分かれます。中小ECが利用する場合の目安は次のとおりです。

区分項目単価の目安
固定費基本料金(月額)0〜5万円/月
固定費保管料1坪あたり2,500〜7,000円/月
変動費入庫料1点10〜30円
変動費ピッキング・検品1点10〜30円
変動費梱包料1点100〜400円(資材費込みは要確認)
変動費配送料1件400〜900円(60サイズ常温)

1件あたりのトータルコスト(CPO)は、60サイズ・常温でおおむね700〜900円が目安です。固定費が高く変動費が安い料金体系は大ロット向き、固定費が安く変動費が高い体系は小ロット向き、という関係を押さえておきましょう。

発送代行・フルフィルメント・3PL・物流代行の違い

これらはほぼ同じ意味で使われます。物流の機能(輸配送・保管・荷役・包装・流通加工)のうち、保管から配送までをまとめて外部に委託するのが発送代行・フルフィルメント・3PL・物流代行です。EC実務では「発送代行」と「物流代行」はほぼ同義、「フルフィルメント」は受注から配送までを含む包括的なサービスを指すことが多い、と理解しておけば十分です。

費用の内訳と隠れコスト

固定費(基本料・保管料)

基本料金は月0〜5万円、保管料は1坪あたり月2,500〜7,000円が目安です。保管料は坪・パレット・容積など計算方式で変わるため、自社の商品サイズで試算しましょう。

変動費(入庫・ピッキング・検品・梱包・配送)

出荷量に応じてかかる費用です。入庫・検品・ピッキングは1点10〜30円、梱包は1点100〜400円、配送は1件400〜900円が目安です。

見落としがちな隠れコスト

最低出荷保証、付帯作業費(同梱・ラッピング等)、システム利用料、梱包資材費(1梱包30〜200円)などは見積もりに含まれないことがあります。総額で比較するため、必ず内訳を確認しましょう。

発送代行の3つの業態タイプ

  • ①プラットフォーム型:Amazon FBA(フルフィルメント by Amazon)や楽天RSLなど、モール内で完結。そのモールの販売が中心なら相性が良い。
  • ②独立系3PL:モールを問わない汎用型。自社EC・多店舗をまとめて任せたい場合に向く。
  • ③キャリア系フルフィルメント:ヤマト・佐川など大手配送会社の直系サービス。配送品質と安定性が強み。

Amazon中心ならFBAが選択肢になります。Amazon運用そのものはAmazon運用代行もあわせてご覧ください。

自社発送と外注、どちらが得か(損益分岐)

一般に、月間の出荷が100〜200件を超えるあたりから、発送代行のほうがトータルコストで有利になる傾向があります。経営者自身が発送を担当している場合は、月50件程度でも外注が合理的です。自社発送は「配送料+梱包資材+作業人件費+倉庫家賃+誤出荷対応」といった隠れコストがかかるため、時給換算で見ると1件1,500〜1,800円になることもあります(発送代行のCPO700〜900円と比較)。金額だけでなく、空いた時間を販売・企画に回せる点も含めて判断しましょう。

発送代行が向いている店舗・始めどき

次のような状態になったら、発送代行の導入を検討するタイミングです。

  • 出荷量が増え、梱包・発送に毎日時間を取られている。
  • 繁忙期(セール・季節商品)の出荷が波打ち、社内だけでは回らない。
  • 経営者や少人数で発送を担っており、本来の販売・企画に時間を割けない。
  • 多店舗展開で、モールをまたいだ在庫・出荷の管理が複雑になっている。

導入の流れ

一般的な流れは、①候補業者の選定・見積もり取得 → ②ヒアリング・倉庫見学・契約条件の確認 → ③契約・システム連携(受注・在庫データの接続)→ ④商品の入荷・棚入れ → ⑤テスト出荷・本稼働、です。特に③のデータ連携は、受注管理(OMS)やモール在庫との接続が肝で、ここを整えると運用が安定します。

依頼するメリット・デメリット

  • メリット:コア業務に集中できる/固定費を変動費化できる/1件あたりの物流コストを下げられる/繁忙期の波に強い/配送品質で顧客体験が上がる。
  • デメリット:社内に物流ノウハウが蓄積しにくい/商品の状態を直接確認しづらい/導入初期に準備工数がかかる。

デメリットは、KPI共有・倉庫見学・テスト出荷といった準備で軽減できます。

発送代行選びとEC運営、まとめてAIで最適化しませんか

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EC運営全体で発送代行をどう位置づけるか

発送代行は「物流」だけの話ではなく、受注・在庫・顧客対応とデータでつながっています。WHITCHは物流倉庫そのものは持ちませんが、EC運営全体の設計の中で、自社に合う発送代行の選定・比較や、受注・在庫データの連携・自動化をAIと人の分担で支援します。たとえば、受注データの整形やモール在庫の同期をAIで効率化し、物流はプロに任せ、社内は販売・企画に集中する——という分担です。WHITCHは、月間約900万UU規模の自社メディアの運営や他社メディアの運営支援で培った、AIと人の分担で量と質を両立する運用ノウハウを、EC運営の設計に応用します。運用全体の外注はネットショップ運営代行もご検討ください。

失敗しない発送代行の選び方(5つの軸)

  • 料金の透明性:Webで料金を公開し、内訳が明確か。
  • モール・OMS対応:楽天・Amazon・Shopify・利用中の受注管理と連携できるか。
  • 自動化・波動対応:繁忙期の出荷増に安定して対応できる体制か。
  • 初期費用・固定費・最低出荷保証:小規模なら0円に近いほど有利。
  • サービス制約:冷蔵・医薬・酒類など、自社商材を扱えるか。

あわせて、最低出荷保証・付帯作業費・保管料の計算方式・システム利用料・梱包資材費といった隠れコストを契約前に確認しましょう。

費用対効果を高める3つのポイント

  • 料金体系を出荷量に合わせる:小ロットは固定費の安い体系、大ロットは変動費の安い体系を選ぶ。
  • 総額(CPO)で比較する:単価だけでなく隠れコストを含めた1件あたり総額で判断する。
  • データ連携をAIで効率化:受注・在庫の整形・同期をAIで自動化し、物流の外注効果を最大化する。

よくある質問

EC発送代行の費用相場はいくらですか?

基本料金0〜5万円/月、保管料1坪2,500〜7,000円/月に加え、入庫・検品・ピッキング各10〜30円/点、梱包100〜400円/点、配送400〜900円/件が目安です。1件あたり総額(CPO)は60サイズ常温で700〜900円程度です。

フルフィルメントとは何ですか?

受注から在庫保管・ピッキング・梱包・配送までを一括で代行するサービスです。EC実務では発送代行・物流代行とほぼ同義で使われます。

フルフィルメント by Amazon(FBA)との違いは?

FBAはAmazon内で完結するプラットフォーム型です。Amazon中心ならFBA、複数モール・自社ECをまとめたいなら独立系3PLが向きます。

自社発送と外注、どちらが得ですか?

月間出荷100〜200件を超えると外注が有利になる傾向です。経営者が発送している場合は月50件程度でも外注が合理的なことがあります。隠れコストを含めた総額で比較しましょう。

WHITCHは発送代行もやってくれますか?

WHITCHは物流倉庫は持ちませんが、発送代行の選定・比較や、受注・在庫データの連携・自動化を、EC運営全体の設計の中で支援します。最適な発送代行選びからご相談いただけます。

フルフィルメントの業務範囲を工程ごとに分解する

フルフィルメントとは、注文が入ってから商品がお客様の手元に届き、必要に応じて返品が処理されるまでの一連の物流工程をまとめて担う仕組みを指します。発送代行と呼ばれるとき、多くの人が思い浮かべるのは「箱に詰めて送る」部分だけですが、実際に外部へ任せられる範囲はもっと広く、そして工程ごとに求められる品質や単価の考え方が異なります。どこからどこまでを外部に委ねるのかを工程単位で把握しておくと、見積書を読んだときに「この会社は何を含み、何を含んでいないのか」を落ち着いて判断できるようになります。ここでは代表的な工程を順に並べ、それぞれで何が起きているのか、自社に残る作業は何かを整理します。

まず押さえておきたいのは、工程は前半の入荷・保管と、後半の受注・出荷、そして例外対応にあたる返品の三つのかたまりに分けて考えると理解しやすいという点です。前半は在庫を預けている間ずっと発生する性質のもの、後半は注文が動くたびに発生する性質のもの、返品はそのどちらにも属さない突発的なものと、コストの発生タイミングが異なります。この違いは後述する費用の考え方に直結するため、まずは工程そのものを言葉で押さえておきましょう。

工程おもな作業内容自社に残りやすい判断
入荷(入庫)メーカーや自社から届いた商品を受け取り、数量を数え、破損や不良がないか検品して在庫として登録する発注量やロットの決定、初期不良の扱いをどう決めるか
保管棚やパレットに在庫を置き、温度や湿度、賞味期限やロット順を管理しながら数量を維持するどの商品をどれだけ持つか、季節在庫の積み増し判断
受注処理各モールや自社サイトの注文データを取り込み、住所や決済状況を確認して出荷指示に変換するキャンセルや同梱の可否、ギフト対応のルール設計
ピッキング出荷指示にもとづき、棚から該当する商品を正確に取り出して集めるセット販売やまとめ買いの構成をどう定義するか
梱包商品を緩衝材で保護し、明細書やチラシを同梱して、適切なサイズの箱や袋に収めるブランドらしさを出す資材や同梱物の指定
配送配送会社へ引き渡し、追跡番号を発行し、指定日時や配送方法に沿って届けるどの配送会社を使うか、送料をいくら価格に転嫁するか
返品対応戻ってきた商品を受け取り、状態を確認して再販可否を判定し、在庫戻しや廃棄を行う返品ポリシーの設計、返金や交換の意思決定

この表を眺めると、外部に任せられるのは「手を動かす作業」であって、「どうするかを決める判断」は自社に残りやすいことが見えてきます。たとえば返品対応で商品を受け取って状態を確認するのは代行側の作業ですが、その商品を返金にするのか交換にするのか、再販に回すのか廃棄するのかというルールを決めるのは店舗側の役割です。工程を丸ごと預けたつもりでも、判断の部分が曖昧なままだと現場で問い合わせが往復し、かえって手間が増えてしまいます。委託を検討する段階で、各工程の「作業」と「判断」を切り分けて言語化しておくと、引き継ぎが驚くほどなめらかになります。当社は倉庫を保有していないため特定の事業者を勧める立場にはありませんが、この工程の切り分けそのものは、どの代行先を選ぶ場合でも共通して役立つ準備になります。

費用項目ごとの単価レンジと月額の組み立て方

発送代行の料金は、ひとつの決まった金額ではなく、複数の費用項目を足し合わせて月額が決まる仕組みになっています。そのため「一件あたりいくら」という単価だけを見て高い安いを判断すると、実際の請求額とずれてしまうことが少なくありません。ここでは代表的な費用項目を並べ、それぞれの単価がどのくらいのレンジに収まりやすいのかを示したうえで、実際にひと月の費用を組み立てる考え方を具体例で追っていきます。金額はあくまで目安であり、取り扱う商材の大きさ、出荷の波、契約する規模によって上下することを前提に読んでください。

費用項目性質単価の目安レンジ何で変動するか
初期費用・基本料固定3万〜5万円前後(月額の基本料として発生する場合もある)システム連携の有無、契約規模
保管料固定寄り1坪あたり月2,500〜7,000円、または棚一段あたりの単価制商品の大きさ、在庫量、保管期間
入庫料変動1点あたり10〜30円入荷の頻度、検品の細かさ
ピッキング・梱包料変動1点または1件あたり10〜400円作業の複雑さ、同梱物の多さ
配送料変動1件あたり400〜800円前後サイズ、配送先地域、配送会社との契約

この表で意識してほしいのは、費用が固定費変動費に分かれるという点です。基本料と保管料は、注文が一件も入らなくても在庫を預けている限り発生する固定的な費用です。一方、入庫料やピッキング・梱包料、配送料は、商品が動いた回数だけ積み上がる変動的な費用です。この二層構造を理解しておくと、出荷が少ない月でも一定額はかかること、出荷が伸びれば伸びるほど変動費が主役になることが腹落ちします。

実際にひと月の費用を組み立ててみましょう。仮に、平均的な大きさの商品を月に500件出荷し、在庫を2坪ぶん預ける店舗を想定します。基本料が月4万円、保管料が1坪5,000円で2坪ぶんの1万円、入庫は月に一度まとめて500点入れて1点20円で1万円、ピッキングと梱包が1件あたり合わせて150円で500件なら7万5千円、配送が1件600円で500件なら30万円。これらを合計すると、月額はおおよそ53万5千円という計算になります。ここで見えてくるのは、全体に占める配送料の比率が非常に大きいことです。発送代行のコストを下げたいと考えたとき、真っ先に効いてくるのは配送単価の交渉余地であり、次いで梱包作業の簡素化だという順番が、この試算からも読み取れます。見積書を受け取ったら、まず自社の想定出荷件数を当てはめて同じように月額を組み立て直してみると、提示された単価が自社にとって現実的かどうかを冷静に検討できます。判断に迷う場合は、複数の見積を同じ前提でそろえて比べることが、遠回りに見えて最も確実な近道です。

FBA(Amazonの仕組み)と3PL(物流代行)はどう違うのか

発送を外部に任せる方法として、大きく二つの選択肢が語られます。ひとつはAmazonが提供するFBAと呼ばれる仕組み、もうひとつは民間の物流会社が担う3PLと呼ばれる物流代行です。名前だけ聞くとどちらも「商品を預けて送ってもらう」点は同じですが、任せられる範囲、費用の発生の仕方、販売チャネルとの相性が異なります。どちらが優れているという話ではなく、扱う商材と売り場の構成によって向き不向きが変わるため、違いを並べて自社の状況に照らすのが正しい向き合い方です。詳しくはAmazon運用代行の考え方とも重なる部分があるため、あわせて検討すると立体的に理解できます。

比較軸FBA(Amazonの仕組み)3PL(物流代行)
おもな対応範囲保管・出荷に加え、購入者対応や返品受付までAmazonが一括で担う入荷から出荷までの物流作業を担う。購入者対応は原則として店舗側に残る
対応する売り場Amazonでの販売が中心。他モールへの出荷は基本的に対象外Amazon・楽天・自社サイトなど複数の売り場をまとめて一元管理しやすい
費用の考え方配送代行手数料と在庫保管手数料が中心。サイズと保管期間で変動基本料・保管料・作業料・配送料を積み上げる。項目が明確で調整しやすい
販売面のメリットプライム対応の表示が付き、購入率や検索面での優位が期待できる同梱物や梱包を自由に設計でき、ブランドの世界観を保ちやすい
見えにくさ・注意点倉庫内の在庫状態を店舗側から直接確認しづらい現場の運営実態が離れた場所で進むため、報告体制の設計が要る

この二つは、どちらか一方だけを選ばなければならないものではありません。実務では、Amazonで売れた商品はFBAに任せ、Amazon以外の売り場で売れた商品と、FBA倉庫へ商品を送り込む納品作業を3PLに任せる、という併用のかたちがよく見られます。売り場が一つに絞られていて、プライム対応の恩恵を最大限に受けたいならFBAに寄せる判断が合理的ですし、複数のモールと自社サイトを横断して在庫を持ち、梱包や同梱でブランドらしさを出したいなら3PLに一元化するほうが運営はすっきりします。自社の売り上げがどの売り場からどの比率で立っているかを一度書き出してみると、どちらに重心を置くべきかが自然と見えてきます。売り場全体をどう設計するかという視点はECサイト運営とはの考え方とつながっているため、物流だけを切り離さず、運営全体の中で位置づけることをおすすめします。

発送代行が向いているEC・向いていないEC

発送代行は万能の解決策ではありません。導入することで大きく楽になる店舗もあれば、かえって身動きが取りづらくなる店舗もあります。ここでは、どのような状況のECが外注に向いていて、どのような場合は慎重に考えたほうがよいのかを、商材の性質と運営フェーズの両面から整理します。自社がどちらに近いのかを冷静に見極めることが、導入後の後悔を防ぐいちばんの近道です。

向いているのは、まず出荷件数が増えて自社の手が回らなくなってきた店舗です。代表者やごく少人数で運営していて、梱包作業に一日の大半を取られ、本来力を入れたい商品企画や販促に時間を割けなくなっている状態は、外注が最も効果を発揮する典型です。次に、出荷の波が大きい店舗も相性が良い傾向があります。セールや繁忙期に注文が一気に集まり、自社では人手を柔軟に増やせない場合、外部の体制に乗せておくことで波を吸収できます。さらに、複数の売り場を運営していて在庫と出荷がばらばらになっている店舗も、一元管理によって在庫のずれや二重出荷といったミスを減らせます。標準的な形やサイズの商品を、決まった手順で数多く出荷するタイプの商材は、外注の仕組みにきれいに乗りやすいと言えます。

反対に、慎重に考えたほうがよいのは、まずひとつひとつの梱包に強い個別性がある店舗です。手書きのメッセージを必ず添える、商品ごとに包み方を変える、写真を撮って確認するといった、作業者の判断や感性に依存する工程が多い場合、外注先に同じ品質を再現してもらうのは簡単ではありません。次に、出荷件数がまだ少なく、固定費を吸収しきれない店舗も注意が必要です。前の章で見たとおり、基本料や保管料は出荷がゼロでも発生するため、月の出荷がごくわずかだと一件あたりのコストがかえって割高になります。加えて、冷蔵・冷凍や大型、危険物など特殊な取り扱いを要する商材は、対応できる代行先が限られ、単価も上がりやすいため、外注ありきで進める前に対応可否と条件を確認する必要があります。向き不向きを判断するときは、「今すぐ」だけでなく「半年後にどれだけ伸びていそうか」という時間軸も加えて考えると、導入の始めどきを見誤りにくくなります。

失敗を避ける発送代行の選び方チェックリスト

発送代行選びでつまずく原因の多くは、契約前に確認しておけば防げたはずの見落としです。料金の安さだけで決めてしまい、後から連携の相性や対応の柔軟さで苦労するというのは、よくある失敗の型です。ここでは、問い合わせや商談の場でそのまま使える確認項目を表にまとめました。それぞれの項目について「はい」と言い切れるかどうかを一つずつ確かめていくと、比較の精度が上がり、契約後のギャップを小さくできます。

確認の観点具体的に聞くこと見落とすとどうなるか
料金の透明性基本料・保管料・作業料・配送料の内訳と、追加費用が発生する条件を明示できるか請求書が想定より膨らみ、採算の見通しが崩れる
システム連携利用中のモールやカートと注文・在庫データを自動で連携できるか受注データを手作業で移す手間が残り、ミスの温床になる
出荷リードタイム注文から出荷までの目安時間と、当日出荷の締め時刻はいつかお客様への到着が遅れ、評価やリピートに響く
波動への対応繁忙期に出荷量が急増したとき、どこまで柔軟に吸収できるかセール時に出荷が滞り、機会損失と信頼低下を招く
同梱・ブランド対応チラシ同梱やギフト包装、指定資材にどこまで応じられるかブランドらしさが失われ、売り場の世界観が崩れる
報告と可視化在庫数・出荷実績・返品状況をどんな頻度と形式で共有してもらえるか現場が見えず、在庫のずれや異常の発見が遅れる
撤退・切り替え条件契約期間の縛り、解約予告の時期、在庫の引き上げ手順はどうなっているかいざ変えたいときに動けず、割高なまま固定される

このチェックリストを使うときのコツは、同じ質問を複数の候補に投げて、答えをそろえて並べることです。一社だけに聞くと、その回答が業界のなかで良いのか普通なのか判断がつきません。二社から三社に同じ観点をぶつけて比べると、料金だけでなく、対応の姿勢や回答の具体性といった数字に出ない部分の差までくっきり見えてきます。とりわけ見落とされやすいのが最後の「撤退・切り替え条件」です。始めるときは前向きな条件ばかりに目が向きますが、事業は伸びることも縮むこともあるため、やめやすさ・変えやすさをあらかじめ確かめておくことが、長い目で見た安心につながります。こうした比較の設計そのものに迷う場合は、物流を含めた運営全体を俯瞰できる相手に相談し、自社の条件を整理してもらうのも一つの手です。

導入の流れと、出荷が安定するまでのワークスルー

実際に発送代行を導入すると決めてから、出荷が日常として安定して回り始めるまでには、いくつかの段階があります。ここでは一般的な導入の流れを押さえたうえで、ある架空のECが自社発送の限界にぶつかり、外注に踏み切って落ち着くまでの物語を追いかけます。手順を言葉で並べるだけでは伝わりにくい「実際に何が起きるのか」を、具体的な場面として思い描けるようにするのが狙いです。

導入の流れをおおまかに示すと、まず現状の整理と要件の言語化から始まります。月の出荷件数、商材の大きさや特性、同梱物や梱包のこだわり、繁忙期の波を書き出し、何を任せ何を残すかを決めます。次に候補の選定と見積の取得を行い、前章のチェックリストで比較して一社に絞ります。続いて契約とシステム連携の設定に進み、モールやカートと在庫・注文データをつなぎます。そのうえで在庫の移管と初回の検品を行い、実際の出荷手順を小さく試します。最後にテスト出荷から本稼働へ移し、報告を受けながら運用を安定させていきます。

ここからは物語です。ある小さな雑貨のECは、代表がひとりで運営していました。売り上げが伸びるにつれ、朝から晩まで梱包に追われ、新商品の仕入れや写真の撮影に手が回らなくなっていきます。繁忙期には出荷が翌日に持ち越され、お客様から「まだ届かない」という問い合わせが増え、評価も少しずつ下がり始めました。このままでは伸びるほど苦しくなると気づいた代表は、発送を外部に任せることを検討し始めます。まず取りかかったのは、自分が毎日どんな作業をしているかを工程ごとに書き出すことでした。入荷の検品、棚への保管、注文の確認、棚からの商品集め、緩衝材での梱包、配送会社への引き渡し。並べてみると、判断が要るのは仕入れと同梱チラシの内容くらいで、あとは手順化できる作業だと見えてきます。

次に、同じ条件で三社に見積を依頼し、料金の内訳と当日出荷の締め時刻、繁忙期の対応、そして解約のしやすさを並べて比べました。いちばん安い一社ではなく、内訳が明快で、報告の頻度と撤退条件が納得できる一社を選びます。契約後は、利用しているカートと注文データを連携させ、在庫を倉庫へ移して初回の検品を行いました。最初の一週間はテスト出荷として、少ない件数だけを流し、明細書の入り方や梱包の仕上がり、追跡番号の反映を自分の目で確認します。細かなずれ、たとえば同梱チラシの向きや箱のサイズ感を一つずつすり合わせ、二週間ほどで手順が固まりました。本稼働に移ると、代表の一日は大きく変わります。梱包に費やしていた時間がまるごと空き、その時間を新商品の企画と販促に振り向けられるようになりました。繁忙期に注文が集まっても出荷は当日のうちに片づき、「届くのが早い」という声が戻ってきます。出荷が安定して回り始めたことで、店舗は次の成長に向けて手を動かせる状態を取り戻したのです。この物語が示すのは、外注は単なる作業の肩代わりではなく、店舗が本来集中すべき仕事に時間を返す手段だということです。物流をどう設計するかは、EC運営代行とはという運営全体の視点と切り離せません。当社は倉庫を持たない立場から、こうした工程の整理や比較の設計をお手伝いできますので、自社にとっての最適なかたちを一緒に考えたい場合は、気軽に相談していただければと思います。

まとめ

EC発送代行・フルフィルメントの費用は、固定費(基本料0〜5万円・保管料1坪2,500〜7,000円)と変動費(入庫・検品各10〜30円、梱包100〜400円、配送400〜900円)の合計で決まり、1件あたり総額(CPO)は700〜900円が目安です。料金の透明性・モール連携・隠れコストを含めた総額で選ぶことが大切です。WHITCHは物流そのものは行いませんが、発送代行の選定と、受注・在庫データの連携・自動化をEC運営全体の設計の中で支援します。物流を含めたEC運営の最適化は、まずは無料でご相談ください。